Baird Beer ベアードビール = 彼らの情熱をビールと共に =
08/03/01
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ベアードさゆりさん
タップルーム前で激写!
ベアードブライアンとベアードさゆり夫婦
ふと思いましたがベアードが苗字?
なら故郷での旦那の名前は
ブライアン・ベアードなの?真実は…?
いい加減にしろ!
とさゆりさんの声聞こえました。
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もう10年位前の話ですが、東京近郊のワインに力を入れている酒屋を対象にしたワイン輸入メーカーのツアーでフランス・ボルドーやシャンパーニュを回ってきました。当時Osakayaでワインを扱ってはいたものの今ほどの専門店ではありませんでしたが、ワイナリーを巡り醸造家の話しを聞き、また一生懸命勉強されてる年配の酒屋さんからいろいろ教わったりしながら、今考えるとこれがワインで頑張ろうというきっかけになったツアーだったのかなと思います。その時一緒に飲み歩いた若者グループの一人が板橋仲宿の藤澤屋さんの若旦那でした。彼の店はワインもですが、今ではほとんど入手困難な焼酎「魔王」も当時から扱っていて、焼酎ブームで品薄になっても以前からのお客様ということで少しずつでも入荷してたという先見のある酒屋さん。当然日本酒も何か特別な旨い酒売ってるだろうと尋ねたら、「獺祭(だっさい)を今頑張って売ってるんだ」とのこと。「へぇ〜、獺祭って何処の酒?」「山口県」「山口県って、、、僕の田舎だけど知らないなあ。山口の何処?」「確か周東町だったと思うよ」へ?山口県玖珂郡周東町は僕の出身地。そんないい酒があのジャングルのようなとこから生まれ、東京で売られているなんて。精米歩合50%の純米吟醸と名乗れる酒を純米酒として造っているそうな。ボルドーで教えてもらった日本酒「獺祭」。フランスから帰国して真っ先に藤澤屋さんに買いに行ったものでした。
先日、ベアード・ブライアン氏と奥様さゆり氏が静岡県沼津市で営むベアードビールを訪れました。ビール製造規制緩和の法改正を受けて8年前から造り始めたクラフトビール。最初は密造でもしてるかのような小さなタンクで、麦の粉砕も最初は手作業でやってたらしい。そして250Lタンクへ。それでも常識ではかなり少ない1回の仕込み量。朝から晩までビール造りをしてたに違いありません。そこから1,000リットルのタンクを置ける醸造所を設けることになりましたが、それでもそのラガービール用の外国製のタンクやすべての器具は自らの手で改良します。今も季節限定ビールで使用する果物は1個1個手で剥いてるそうです。このパワーはどこから来るのか。それは自分達の造るビールに対する“信念と情熱”だと彼らは言います。本当に考えをもって熱く訴えれば国だって手を貸してくれるものよ、とさゆり氏は笑って話してくれました。
日本全国でこうした熱い思いをもった方によりビールやワイン、日本酒が造られてます。そのお酒達は彼らにとって我が子のように可愛いもので、酒販店や飲食店に出荷する時は我が子を旅に出すような気持ちだと思います。しかし彼らにはこのビールを飲んでいただく最後のお客様に“信念と情熱”を語ることはできません。ならば代わりに子供達を預かっている僕ら酒販店・飲食店が、ベアードビールを手にされたお客様に、少しでも彼らの“信念と情熱”を伝えていかなければならないと、そしてそれこそが販売なんだと感じました。
(ベアードビールのHPは
こちらをご覧ください)
ベアードビールの哲学
私達の造るベアードビールを突き詰めるとフレーバーを経験する事である。モルト、ホップ、酵母のフレーバーを強調し重要視している。手造りのベアードビールは全種類全て「バランス+複雑さ=個性」という同じ公式に基づいて造られている。私達はフレーバーと個性に満ち溢れたビールを造ることに情熱を捧げているのだ。風味のないつまらないビールを決して造らないし、例えそれが万人受けしなくても構わない。私達は小さな規模で、丹念に、情熱を込めて、また伝統に畏敬の念を持ちながらビールを生産している。私達がベアードビールを造るのと同じ位に、お客様一人一人がベアードビールを飲むことを楽しんで頂けたらと願う。乾杯!
ブライアン・ベアード